
レーシングトラック
リトルモンスターと称される、HINOダカールラリーマシン。
世界に誇る耐久性を持つ日野レンジャーをベースにした、HINOダカールラリー用マシンは、中型車でありながら排気量が倍以上もある、大型のモンスターカミオンと熾烈な戦いを繰り広げるその勇姿から、リトルモンスターの異名でライバルたちに恐れられている。HINO車の持つポテンシャルを最大限に引き出し、レースへと挑む。
| 車両名称 | 日野レンジャー |
|---|---|
| エンジン | 型式 J08C-TI(ターボインタークーラー付き) |
| シリンダー | 直列6気筒 |
| 排気量 | 7,961 cc |
| 最高出力 | 450ps/2,700rpm以上 |
| 最大トルク | 76kgm/1,600rpm以上 |
| トランスミッション | 6速ダイレクトドライブ 副変速機付き |
| トランスファー | 2速 Hiレンジ:1.000 Loレンジ:1.598 |
| アクスル | Full floating フルフローディング デフロック前後付 4.625 |
| サスペンション | 前後マルチ式リーフスプリング |
| 車両サイズ | 全長:6,100mm 全幅:2,390mm 全高:3,100mm |
| ホイールベース | 3,750mm |
| タイヤサイズ | 14.00x20 |
| 車両総重量 | 1号車:7,000kg 2号車:6,700kg |
新型レーシングトラック(2号車)の概要

新型レーシングトラックは、中型トラック「日野レンジャー」の4輪駆動車型をベースとし、排気量10リッター未満クラスのライバルを凌駕するパフォーマンスを発揮するとともに、大型車を含めたトラック部門で総合上位に入賞することを目標に開発。
開発テーマのひとつは、走破性能の向上。このためフレームを全面的に見直し、組幅を広げて車体のねじれ剛性を高めた。また、重量物を重心近くに集めるために、市販車では運転席の下にあるエンジンを、後方に移動させて低い位置に搭載し、低重心なミッドシップレイアウトを採用。また、キャブは従来のフルキャブからショートキャブを選択し、重量を軽減。リアボディも根太構造(サブフレーム)を廃したうえで、従来のパネル張りから軽量な化学繊維製の幌にするなど、車両全体で前回比300sに及ぶ軽量化を達成した。これらの改良に合わせ、ブレーキの前後バランスを見直すなどブレーキ性能の向上も図った。
もう一つのテーマは、冷却性能の向上です。アフリカから南米に舞台を移したダカールラリーは、パウダー状の砂や急な傾斜など、走行抵抗のより大きい路面を高い気温の中で走行するため、冷却性能の高さが求められる。新型レーシングトラックでは、冷却能力の高いアルミ製ラジエーターを採用した。ラジエーターと冷却ファンの距離が、ミッドシップ化で離れたためその空間をシュラウドで連結。インタークーラーは、通常のラジエーター前面位置からリアボディ前端上部に移設。ラジエーターとインタークーラーの位置を別にし、効果的に走行風を直接集めることにより冷却性能を向上させた。これらの改良点はすでに、ラリーモンゴリア2011(8月8日〜15日開催、モンゴル・ウランバートル発着)でのテスト走行で効果を確認できた。 新型レーシングトラックは、菅原照仁氏がステアリングを握る。
車両改造の概要
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エンジン J08C型インタークーラーターボエンジンは最大回転数の高回転化、噴射ポンプ調整など規定に準じたファインチューニングが施されており、レッドゾーンまでストレスなく噴けあがる。扱いやすさに加え、その耐久信頼性は絶大で、ダカールラリー参戦以来連続完走を果たす、文字通り「原動力」であることは間違いない。大型タイヤとの組み合わせで最高速は170km/hに達する。 (写真は1号車) |
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サスペンション 道なき道で争われるダカールラリーではサスペンションのセッティングが勝負を左右するといっても過言ではない。操安性を保ちながら、砂丘や岩場、さらには高速時のギャップ通過などあらゆるシチュエーションをこなすセッティングが求められる。使用サスペンションは毎年、改良に改良を加えたホリキリ社製のマルチ式リーフサスペンションに各輪2本のレイガー社製ショックアブソーバー。 |
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空気圧調整システム(CTIS)走行中に車内からの操作でタイヤ空気圧の調整が行える装置。エアタンクから、エアシールで密閉されたハブベアリングを介して、空気圧を加減する。ラリー時は0.8から3.5キロ圧の範囲内でナビゲーターが絶えず調整する。右側の画像が加減圧を行うコントロールボックスだ。 |
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リアボディ キャブと側面を合わせ空力にも配慮した設計のリアボディは坪井特殊車体で改良を重ね製作されたもの。2号車は幌素材を使用。1号車の外壁にはカーボン素材を使用し、骨格とは特殊なのりで接着されている。荷台内には燃料タンクが固定され、スペアタイヤ2本、最低限のスペアパーツにクルーの私物が積まれる。スペアパーツの選択や少量化も大事な作戦の一つだ。 |
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燃料タンクリアボディ内のものを含み日本軽金属社製の燃料タンクが合計3つ積まれる。車両規則で800キロの無給油走行を義務づけられているため、総容量は600リッターに及ぶ。左右のサイドパネル内には工具やエアジャッキなどが格納され、パンクなどのトラブル時に即座に対応できる構造だ。 |
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フォグランプ 補助灯としてHIDランプを装着。夜間でも真昼のような明るさで広範囲を照らすHIDランプは、夜間走行の多いダカールラリーでは重要なアイテムだ。フォグランプをはじめ灯火類にはストーンガードとして破損防止用の特殊フィルムが貼られ、光量を落とさない工夫もなされている。 (写真は2号車) |
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コクピット ワイド&ハイルーフ仕様のキャビンに組み込まれた70ミリ口径のロールゲージやレース用バケットシート、ナビゲーション機器類などがラリーカーの雰囲気をかもしだしている。ただ、カミオン部門の出場車両はこれらの安全装備品やナビ廻りといった、必要最低限の改造以外は認められていないため、メーター廻りやダッシュボードなどは市販車両と変わらない。 バケットシートはFIAの規格品を改造した、クッション性の高いスペシャル品。長時間走行を強いられるダカールラリーでは、シートの選定も重要なポイントだ。また、フロントガラスには全面にセイコーステラ社製の特殊フィルムが貼られ、飛び石による破損防止や断熱、UVカットといった効果を発揮している。 |

日野プロフィア
ラリー中のスペアパーツ輸送やメカニックの移動手段として、日野自動車が誇る大型トラック・日野プロフィアがレース車をサポート。アシスタンス車両は「JAPAN RACING MANAGEMENT」が運行し、メカニックは担当車両に分乗し、ビバークを巡る。こちらの活躍からも目が離せない。








空気圧調整システム(CTIS)

燃料タンク

